理系大学院生のうつ病って多いのかな…
研究室に行きたくないの診断が出たんだけど…
理系学生の中にはこんな不安をもつ方もいるのではないでしょうか。
研究が進まずにイライラすることや、理不尽な教授に無茶を言われることもあります。
しかし、そのたびにメンタルが不安になると鬱っぽい症状になってしまいます。
今回は理系学生が充実した研究生活を送るためにメンタルを安定させる方法をご紹介します。
研究室ストレスによる鬱病の原因とは?
研究室生活で心を病んでしまう学生はどの大学にもいると思います。
まずは考えられる原因を4つご説明していきます。
- 教授を中心とした閉鎖社会
- 新規性が求められるストレス
- 長時間の研究活動
- 教育という名目による無給活動
教授を中心とした閉鎖社会
研究室は良くも悪くも教授を中心とした閉鎖された階級社会です。
教授が一番偉く、以降は順に准教授、助教、ポスドク、学生の序列になります。
社会で例えると中小企業のワンマン社長が教授と同じ立場です。
このため、教授から無茶なことを言われる場合もあります。
上手く対処できれば問題ありませんが、真面目な学生ほど期待に応えようと無理してしまいます。
また、研究室は閉鎖された社会で周囲の目が届きにくいため、メンタル不調になるまで気づかれないことがあります。
新規性が求められるストレス
研究を進めるときには各自に研究テーマが与えられます。
テーマ選択の方法は研究室によって違いますが、新規テーマを担当する学生もいます。
過去に研究室で扱っていないテーマでは、新しい発見が見つかる可能性もありますが、結果が全く出ないことも考えられます。
最悪なのは、研究結果が出なくて論文を書けないという状況です。
研究に費やす時間は長いのに研究データが無いというのは、相当ストレスを感じます。
また、新規テーマに必要な実験装置の製作で時間を費やしてしまい、成果が出ていないというのも良く聞く話です。

長時間の研究活動
研究テーマにもよりますが化学系・生命系の研究室では研究時間が長時間になりがちです。
というのも、研究対象が動植物のような生命体や菌であるため、死活させないように細心の注意が必要だからです。
長期間の不在をNGとする研究室では、正月や夏休みも研究室に行かなければなりません。
教育という名目による無給活動
学生は学費を大学に納めている立場上、研究を通して教育を受ける権利があります。
興味や好奇心で研究したかったのに、教授の雑務を担当することもあります。
もし、会社員で同じ内容を研究すれば給与が発生しますが、研究室の学生には一円も入ってきません。
ハードな研究室生活を送りながらも無給というのは相当にストレスが溜まります。
メンタルを病まずに研究する方法
どんな学生でも研究室生活が上手くいかずに、メンタルが不調になる可能性があります。
ここからは心を病まずに研究を続けるための方法をご説明します。
物事の優先順位を考える
研究生活を行う上で大切なのは、物事の優先順位を考えて行動することです。
大学生であれば研究以外にも、
- アルバイト
- 趣味
- 旅行
- 就活
など、やりたいことは必ずあるはずです。
忙しいからといっても研究だけでなく、それ以外の活動も充実させるようにしてください。
ストレスは溜め込まずに少しずつ発散させるのが大切です。
研究室選びは慎重に
理系学生の研究室選びは大学選びよりも重要なイベントです。
研究室に入った後にこんなはずじゃなかった…と思っても正直遅いです。
事前に情報収集するためにも必ず研究室見学には参加してください。
大学公式の研究室見学が開催されていないときには、教授に個別アポを取って足を運ぶのも有効です。
最低1年、修士や博士に進学すると3年~5年を過ごす環境だからこそ、研究室は慎重に決めましょう。

研究室変更も可能
研究室選びが大切なのは当然ですが、本当にヤバイ時には研究室を変更することも可能です。
- 指導教員が教育を放棄している
- アカハラされている
- メンタルが不調である
このような状況になったら大学内の事務局担当に連絡し、研究室変更を検討してください。
ただし、研究室を変更すると指導教員も変わるため、研究はゼロからスタートになります。
途中から新しいテーマに取り組むような感じなので相当大変といえます。
大学教員は普通じゃないと割り切る
大学教授になるにはアカデミックの競争社会を勝ち抜かなければなりません。
ルートとしては博士取得後に、ポスドク、助教授、准教授と昇進するのが王道になります。
また、研究業績を高めるのは当然ですが、他の教授から信頼されるコネクションも大切になります。
というのも、教授になるためには各大学の教授会で任命される必要があるからで、人間関係を構築するために若い頃から雑務を引き受ける教員もいます。
このような環境の中、無事に大学教授になれるのは数%しかいません。
逆に言えば、教授まで昇進している人は普通の人じゃない可能性も十分あります。

引き継がれている研究テーマを選択する
新規テーマではなく、代々研究室に引き継がれているテーマを選ぶのもおすすめです。
引き継がれているテーマであれば、すぐに研究できる環境が整っているからです。
- 研究背景
- 実験方法
- 実験装置の組み立て
このような作業に時間を取られないのが引継ぎテーマを選ぶ最大のメリットです。
一方、新規テーマと違って革新的な新しい成果は見つかりにくいということは覚えておきましょう。
研究室メンバーとの交流を大切にする
研究室は小さい会社のような組織です。
円滑に過ごすためには研究室メンバーとの交流を大切にしてください。
先輩との仲が悪いと研究のやり方を教えてもらえない等、研究活動にも支障が出てしまいます。
まずは挨拶を行い、円滑な人間関係を構築するのが大切です。
研究だけでなく趣味やバイトを続ける
既にご説明しましたが、研究室は閉鎖された特殊な環境です。
長時間同じ環境にいると、そこで起きていることが世の中の全てと感じることがあります。
そうならないためにも研究だけでなく、趣味やバイトを行い違う環境にも身を置くようにしてください。
常に外の空気を味わい、1つの社会にこもらないようにしましょう。
また、定期的な運動を行いストレスを発散するのもメンタル安定には有効です。
卒業・修了を最優先に考える
研究を行う上では優秀な成果を出したいと思うかもしれませんが、追い込み過ぎて体調を崩しては意味がありません。
研究室に所属していても立場は学生なので、まずは卒業・修了することを最優先に考えましょう。
必要であれば、研究室を休んだり、指導教員を変えることも可能です。
まとめ
今回は理系学生が研究室生活で鬱になってしまう原因と対策をご紹介しました。
いかがだったでしょうか。是非参考にしてもらえると幸いです。