大学院の研究室を変えたい…
修士1年と修士2年のいつまでなら変えられるかな…
研究室変更のデメリットはあるの…
こんな疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
今回は理系学生向けに大学院の研究室を変える方法をご紹介します。
理系で研究室を変えるときのパターンとは
大多数の学生は一度選んだ研究室で修論を書き上げるので、研究室の変更はしません。
ではどんな学生が研究室を変えるのでしょうか。具体例を2つご紹介します。
所属研究室が無くなるとき
1つ目のパターンは所属研究室が解散するときです。
以下のような理由のときに研究室の解散が考えられます。
- 教授が定年を迎える
- 教授が別の大学に異動する
- 予算の都合で研究室が解体
教授の定年については数年前からの確定事項なので、事前に調べることができます。
一方、教授の異動や予算に関しては入手しづらい情報といえます。
知ることが難しい情報についてはあれこれと心配せずに、解散が決まってから行動しても遅くはありません。
指導教員と上手くいかなかったとき
2つ目のパターンは指導教員と上手くいかずに研究室に居られなくなることです。
大学教授はクセの強い人が多いので相性が合わない可能性もあります。
息が合わないとはいっても、学生から見れば何十歳も年上の先輩に相当するので学ぶべきこともたくさんあります。
たとえば、どんなに素晴らしい会社でも苦手の同僚の一人や二人は必ずいます。
大学の研究室も同じです。研究室全員と気が合うことを求めるのは難しいと思います。
研究室を選ぶ権利は学生にある
研究室を変えても大丈夫かな…と心配する学生もいるのではないでしょうか。
実際に大学院で研究室を移動する学生は少数派です。
ですが、ブラック研究室やアカハラ教授にあたってしまったら研究室変更を検討してください。
学生は教授の労働者ではありませんし、お金を払っているのは学生側です。
大学関係者の給料は学生の保護者や国から学生の教育を委託されている費用になります。
研究室を選ぶ権利は学生にあるというということを忘れないようにしてください。
研究室を変えるメリット
ここからは、実際に研究室を移動するときのメリットを2つご紹介します。
学ぶことが多い
研究室を変更すると学べることもたくさんあります。
- 論文の書き方
- 研究の進め方
- プログラミングスキル
- プレゼンスキル
研究室に依存しないポータブルスキルは指導教員によって教え方が異なります。
大多数の学生のように同じ研究室に所属しているとやり方も1つしか学べません。
一方、研究室移動を行うと複数の指導教員からポータブルスキルの身に付け方を学べます。
研究の深さという専門性では劣りますが、理系としての強みは磨けるはずです。
選択する経験を積める
学生は自由に研究室や指導教員を選択できます。ブラック研究室やホワイト研究室を選ぶのも自由です。
理不尽な教授の研究室に所属して、耐えながら研究を進めるのも手段の一つです。
ですが、学費を払い学ぶ機会を得ているのだから、実りのある研究室生活にしたほうが良いのではないでしょうか。
研究室変更は大きな選択を伴いますが、学生時代から大きな決断するという貴重な経験を学べるはずです。
研究室を変えるデメリット
研究室変更には良いことばかりではありません。ここからはデメリットを3つご説明します。
新しいことを学ぶ必要がある
研究室を変更すると研究テーマも変わります。
このため、修士学生であっても以下のような学部生が配属直後に取り組む内容からスタートしなければいけません。
- 文献調査
- 研究方法
新しいことを学ぶのが得意な学生にとっては面白いかもしれません。
ですが、研究スタートに必要な前提知識をゼロから学ぶのは相当な労力が必要なことも忘れないでください。
時間が無い
新しいことを学ぶのに加えて時間が無いこともデメリットです。
というのも、修士研究は2年で完成させなければいけません。
そんな中、ゼロからの研究スタートは大幅な出遅れになります。
卒論と同じ研究テーマを続けている学生と比較すると、修論が大変になることは間違いありません。

人間関係に苦労するかもしれない
指導教員と上手くいかずに研究室移動をしたかもしれません。
ですが、新しい研究室でもゼロから人間関係を構築する必要があります。
新しい指導教員と気が合わない可能性もありますし、ポスドク学生との人間関係に苦労するかもしれません。
研究室という小さい組織である以上、全員と良好な人間関係を築くのは難しいとも考えられます。

研究室を変更する方法とは?
研究室変更のメリット・デメリットをご紹介しました。
ここからは、実際に研究室を変更するときの流れをご説明します。
- 専攻長に相談
- 空きがある研究室を探す
- 希望研究室を訪問
- 指導教員に意思表示
- 移動先の研究室と専攻長に報告
所属専攻長に相談する
研究室を変えるときには、所属している学科やコースの専攻長と面談をしてから手続きを行ってください。
というのも、学生の研究室は所属研究室の教授ではなく所属学科が決めることだからです。
専攻長に研究室変更を認めてもらえれば、後の手続きも簡単に進みます。
定員枠が空いている研究室を探す
専攻長に相談した後は、定員枠が空いている研究室を探してください。
具体的な方法は、専攻長に相談した際に定員に空きがある研究室を教えてもらうのが一番簡単です。
他にも、友人同士のネットワークを使って、就職する予定の学生数を調査し、次年度の空き枠を予想する方法もあります。
希望する研究室の教授を訪問する
定員枠が空いている研究室を絞ったら、教授にアポを取った上で研究室訪問をしてください。
アポを取るときには事前にメールを送って指定された日時に訪問するのが大切です。
研究室を変更したいという内容で相談してみてください。
現在の指導教員に研究室変更の意思を伝える
受け入れ先の研究室が決まったら、現在の指導教員に研究室変更の意思があることを伝えます。
研究室変更の詳細な理由を相談する必要は無く、『手続きをしてもらうことになるのでよろしくお願いします。』と伝えれば大丈夫です。
自分が抱えている研究の引継ぎ方法に関して、指示があれば素直に従ってください。
移動先の教授と専攻長に結果を報告
現在の指導教員への話が終わったら、移動先の教授と専攻長に結果を報告してください。
ここまでで研究室変更の流れは完了となります。
研究室選びは慎重に行うべき
学生が望むのであれば研究室変更もできますが、できれば研究室変更はしない方が良いです。
そのためにも、自分が所属する研究室の情報は事前に調べておきましょう。
- 教授の人柄
- コアタイムの有無
- 研究テーマ
- 研究の進め方
- 就活への理解度
この辺りの情報は知っておいて損はありません。
大学が主催する研究室訪問があれば絶対に参加するのがおすすめです。
タイミングが合わなければ、個別での研究室訪問も検討してみてください。

まとめ
今回は大学院での研究室を変える方法をご紹介しました。
いかがだったでしょうか。是非参考にしてもらえると幸いです。