院試ではどの大学院を受験しようかな
NAISTの院試って難しいのかな
皆さんはNAISTをご存知でしょうか。
NAIST(奈良先端科学技術大学院大学)とは、奈良県に位置する大学院に特化した教育機関です。
学部生の在籍はなく『情報科学』『バイオサイエンス』『物質創成生科学』分野の大学院生が所属しています。
学部からの内部進学生がいないため、学部組織を持つ他の大学院と比べると倍率が低くなることが想定されます。
このため、第1志望で受験する学生はもちろんですが、併願受験する方も毎年多数います。
今回はNAISTの博士課程前期試験に関して以下の項目をご紹介します。
- 試験概要
- 院試の勉強方法
NAISTの試験日程
院試の試験日程は大きく3つあります。
- 第1回:7月(他大学院試前)
- 第2回:10月(他大学院試後)
- 第3回:3月(卒業直前)
8月に院試を実施する大学が多いため、他大学院と併願してNAISTを受験することも可能です。
第1回のスケジュールでは院試の前哨戦として全国から受験生が集まります。
奈良だけでなく、東京会場でも受験できるので移動が大変な東日本の学生にも人気です。
一方、他大学の院試に落ちてしまった…という学生でも受験できるのが第2回実施分になります。
こちらで紹介しているように、夏の院試に落ちてしまうと『秋就活』『院浪』など、選択肢が狭くなってしまいます。

興味のある研究テーマがあれば、10月のNAIST試験を検討してみてはいかがでしょうか。
NAISTの試験合格のためにやるべきこと
ここからは実際にNAISTの試験に合格するための方法をご紹介します。
オープンキャンパスでコネをつくる
NAISTが公式に実施しているオープンキャンパスには必ず参加しましょう。
参加のメリットはこんなにあります。
- 志望研究室の教授とコネが作れる
- 研究室の雰囲気がわかる
- 院試の過去問をもらえる
- NAIST入学のモチベーションがあがる
この中でも一番大きいのが志望研究室の教授とコネがつくれることです。
というのも、後程、ご紹介しますがNAISTの試験は面接が要視されており、研究室の志望動機、取り組みたい研究への深い理解が求められるからです。
また、面接では『オープンキャンパスに参加したかどうか』は頻出質問であり、研究室訪問をしていないと減点対象とされる可能性も高いです。
以上の理由からもオープンキャンパスには是非参加してください。
もし都合が合わないようであれば、NAISTでは『いつでも見学会』という個別の研究室訪問を受け付けているので、コンタクトを取ってみてください。
徹底的な過去問練習
NAISTのホームページには過去問が載っています。
頻出分野、問題の出題形式を把握するためにも、絶対に目を通しておいてください。
オープンキャンパスで研究室訪問を行う際には、過去問の解答集や古い過去問のデータをもらえれば、院試対策も捗ります。

小論文対策について
NAISTの試験では出願書類として小論文が必要になります。
下記課題に関してA4用紙2枚程度で作成します。
- ①これまでの修学内容(卒業研究等)について
- ②本学において取り組みたい研究分野・課題について
各課題の記載分量については不問になります。
ただし、NAISTの入学試験であることを考慮すると『②取り組みたい研究分野』を重点的に書くのがよさそうです。
また、募集要項には図表の使用も可能との記載があります。
小論文だからと言って、文章だけにすると分かりづらくなる可能性があります。
理系学生にとって理解しやすい資料の作成能力は大切であるため、必要に応じて図表を用いることも検討してください。
英語(TOEIC)について
NAISTの試験では出願書類としてTOEICスコアを提出します。
院試でのTOEIC勉強法やスケジュールはこちらを参照ください。

また、募集要項には下記の記載があります。
ということは、出願時にはTOEICスコアを所有していなくても大丈夫ということですね。
もちろん試験当日にはスコアの原本を所有していなければいけませんが…
NAISTの試験科目について
NAISTの試験では専門分野ごとに試験科目が異なります。
- 情報科学区分
- バイオサイエンス区分
- 物質創成
ここからは各分野に関してご説明していきます。
情報科学区分
試験当日は30分程度の面接が実施されます。
判断ポイントは以下の2つ。
- ① 口頭試問(代数・解析)
- ② 小論文と専攻分野に関する質問
口頭試問については、大学の講義で学習した分野を復習しておけば問題ありません。
他大学院を併願している学生であれば、数学の試験範囲として代数・解析に取り組んでいるのではないでしょうか。
②については提出済の小論文に関する3分以内のプレゼンの後で質疑応答があります。
小論文の内容については口頭で説明できるように準備しておきましょう。
面接での頻出質問としては下記の内容に答えられれば大丈夫です。
- 学部での研究内容
- NAISTで志望する研究室
- NAISTでやりたいこと
- 他大学院の試験状況
- 将来はどうするか?研究 or 就職?
- オープンキャンパスに参加したか
バイオサイエンス区分
バイオサイエンスの試験は20分程度の面接になります。
判断ポイントは以下2つ。
- ① 口頭試問(小論文に基づく専門知識)
- ② 口頭試問(バイオサイエンス関連の基礎知識)
面接での頻出質問等については情報科学区分と同じです。
生物系学部で使用した教科書や参考書を基にして、細胞生物学、分子生物学、生化学に関する知識を復習しておきましょう。
おすすめ参考書はこちらを参照ください。

物質創成科学区分
物質創成科学の試験は20分程度の面接になります。
判断ポイントは以下2つ。
- ① 小論文に基づく5分程度の口述発表
- ② 口頭試問(小論文および上記プレゼンに基づく内容)
まずは提出済の小論文を5分で発表できるように準備しましょう。
他の学生と差が付くのは②の口頭試問になります。
事前に想定問答集を作成し、面接官から聞かれる内容を予想しておくのが大切です。
細かいテクニックになりますが、小論文では敢えてキーワードの解説を省略する等、面接官が聞きたがる箇所を入れておくのも作戦の1つです。
まとめ
今回はNAISTの試験概要、試験対策方法をご紹介しました。
いかがだったでしょうか。ぜひ参考にしてみてください。