学部で就職しようと思ったけど、大学院行ったほうが生涯賃金増えるのかな。
院卒と学卒の初任給ってどれくらい違うのかな。
理系学生で就職を考えたときに、こんな疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
今回は、年収の観点からこんな視点で記事を書きました。
- 大学院の学生向け:院就職のメリット
- 学部就職と院進学で悩む学生向け:今後の進路検討に役立つ情報
学部卒と大学院卒の初任給・手取額っていくら?
まずはこちらのグラフをみて下さい。
高卒・大学卒・大学院卒の初任給の違いはこんな感じです。
- 高校卒 :162,100円
- 大学卒 :206,100円
- 大学院卒:233,400円
検証時期によって違いはありますが、大学卒と大学院卒の初任給の差は大体3万円です。
院卒1年目と学卒3年目の給料の違いについて
検討条件を分かりやすくするために、同じ企業に学部卒と院卒で入社した場合を検討してみます。
院修了後に入社すると、学部卒でのストレート入社と比べて+2年遅くなります。
この2年分の賃金の差が、学卒と院卒の初任給の差である3万円と比べて大きいかを考えてみます。
大企業では毎年5%程度の昇給が期待できます。ということは、初任給206,100円の新入社員の3年目の給与は、5%分の昇給2回を考慮して227,225円になります。
一方で大学院卒の平均初任給は233,400円です。
上記2つを単純計算すると、院卒1年の方が3年目の学卒社員より給与は多くなりそうです。
なんで大学院卒は給料が高いのか?
大学院卒の学生が高い初任給をもらえるにはいくつかの理由が考えらえれます。
- 専門性が高く即戦力であるから
- 高難易度な資格を持っているから
大学院での学習内容と企業での業務内容がマッチするほど即戦力度合も高まります。
長期的な観点からみると人材育成は有益なビジネスですが、短期的にはなかなか結果が出にくい実態もあります。
そのような背景もあるため、採用後にすぐに結果を出せる大学院生の需要が高まりつつあるのではないでしょうか。
高難易度な資格とは、医者や薬剤師、弁護士や会計士等の専門職のことです。資格取得には大学院の修了が必要になることもあります。
取得するときは大変ですが、各資格に独占業務が与えられてるため、安定的な高給取りです。
大学院進学に必要な金額をシミュレーション
大学院卒の方が学卒と比べて初任給が高いことはご説明した通りです。
とはいっても、大学院進学には学費がかかります。さらに学卒で就職していれば貰えたであろう給料分の機会損失もあります。
下記2つの金額を合計するとどれくらいになるのかシミュレーションしてみました。
- 大学院の学費
- 学卒での給料
大学院進学に必要な学費はいくら?
理系大学院の学費は安い?でもご紹介した国立大学院の学費を計算してみます。
国立大学では、医学部、工学部、薬学部、理学部など専攻に関わらず学費は一律です。
- 入学金:282,000円
- 授業料:267,900円(上期)
- 受験料:30,000円
授業料4回分+入学金+受験料を合計すると、1,383,600円になります。
学費が安い国立大学院2年間でも138万円なのだから、私立大学院に進学すると200万以上かかる可能性も十分あります。
学卒での給料(2年分)
既にご紹介した学卒の平均初任給を基に2年分の給料を考えてみます。ボーナスは2ヶ月を予想しました。
206,100円×(12ヶ月+2ヶ月)×2年=5,770,800円
学部卒業後に働き始めれば、2年間で577万円稼げることになります。
もちろん税金や社会保険料が引かれるため、全額を手取りでもらえるわけではありませんが…
以上のシミュレーションをまとめて、
- 学費2年分(138万円)
- 学卒2年分給料(577万円)
合計すると715万です。
大学院に進学することは、僅かな初任給増額と引き換えに715万を失っている計算になります。
大学院進学と学卒での就職の生涯年収はどちらがいい
ここまで学部卒と大学院卒の初任給の違いをご紹介しました。ここからは、生涯年収にはどのような違いがあるのかを検証してみました。
学卒と院卒の生涯年収(生涯賃金)について
学部卒と大学院卒ではどちらが生涯年収って多いのかな。
こんな疑問を持つ学生も多くいると思います。会社員であれば給与のベースは役職に応じて支払われます。
もちろん給料の決め方は会社によって違うと思いますが…
新卒や第2新卒の就職活動に関しては、学歴は非常に役に立ちます。一方入社後の役職は学歴ではなく、個人の能力や運によって決まります。
このため、入社後数年目までは院卒社員の給料が学卒社員よりも多いことはありますが、それ以降は個人の力量に応じて変動すると認識しておきましょう。
大学院進学か学部就職で悩んでいる方へのアドバイス
今回は院卒と学卒との違いを主に給料の面から説明してきました。
検証結果をまとめると、入社後数年は院卒有利だが生涯年収は学歴不問であり、院進学による機会損失は大きいということです。
また私自身は大学院卒ですが、周囲には学卒で優秀な方は無数にいます。
むしろ、大学院2年間よりも社会に出て2年間生活する方が成長できる機会はたくさんあります。
結論としては、大学院進学か学部就職で悩んでいたらまずは就職してみてはどうでしょうか。
社会に出て数年経過後に学び直す気持ちがあれば、大学院に戻っても遅くなはいと思います。