理系院生が国家公務員になるにはどうしたらいいの…
就活では民間企業との両立もできるの…
こんな悩みを持つ方もいるのではないでしょうか。
今回は理系学生向けに国家公務員を受験するときの情報をご紹介します。
国家公務員とは
国家公務員には職種と採用体系によって違いがあるのでご説明します。
文系(行政区分)と理系(技術区分)
採用試験は『行政区分』と『技術区分』の2つがあります。
- 行政区分:文系向き
- 技術区分:理系向き
法律・経済系の学生が受験するのは行政区分で入省後は事務官として働きます。
一方、工学や理学の学生は技術区分を受験し、入省後は技官になります。
技術区分は以下のように専攻が詳細に分かれているので、大学で学んだことを活かして働くことができます。
- 電気・電子・情報
- 機械
- 土木
- 建築
- 物理
- 化学
- 農学
- 農業農村工学
- 林学
理系学生は大学の専攻に沿った技術区分を受験するのが知識の面では有利ですが、専門以外でも受験可能です。
もちろん行政区分を受験することもできます。
ただし、行政区分の倍率は技術区分よりも高いので合格するのは大変になります。
また、事務官は技官よりも出世が早いことが多く、敢えて行政区分を受験する理系学生もいます。
総合職採用と一般職採用
国家公務員には採用体系の違いで『総合職』と『一般職』があります。
総合職はキャリア、一般職はノンキャリと呼ばれ、受験できる資格も以下のように異なります。
- 総合職:院卒、大卒
- 一般職:大卒、高卒
ここからは勤務地と給料の観点から違いをご説明します。
勤務地の違い
総合職で採用されると、霞が関を拠点に3年程度で全国転勤と部署移動があります。
関連会社への出向も多く数年先の労働環境の予想は立てづらいです。
一般職での採用は地方の出先機関が主な勤務地になります。
技官の場合は原則、全国転勤ですが実態は各省庁によって異なり、ほとんど転勤がない部署もあります。
給料の違い
総合職と一般職ではもちろん給料も異なります。
人事院の資料を参考にして初任給を比較してみます。
総合職(院卒) | 総合職(大卒) | 一般職(大卒) | 一般職(高卒) | |
初任給 | 261,280 | 229,240 | 222,240 | 183,720 |
総合職と一般職での初任給の差はほとんどありません。
むしろ、院卒・大卒・高卒といった最終学歴(採用時の年齢)によって初任給は異なります。
理系院生が大卒の採用試験合格後に修了できれば、2年の実務経験があるとみなされて、初任給では大卒3年目と同じ給料を貰えることがあります。
また、大卒採用試験を合格していれば、大学院を中退しても国家公務員(大卒)として通常通り採用されます。
研究室が大変でツライ…という理系院生にとっての選択肢のひとつです。

国家公務員試験は併願できるの
国家公務員試験は職種と採用体系が複数ありますが、併願はできるのでしょうか。
結論から申し上げますと併願することは可能です。
理系院生では『総合職院卒の技術区分』+『一般大卒の技術区分』の併願が多いです。
一方、理系学部生の場合は、『総合職大卒の技術区分』+『一般職大卒の技術区分』の併願が多いです。
まとめ
今回は理系院生が国家公務員を受けるときの情報をご紹介しました。
いかがだったでしょうか。是非参考にしてもらえると幸いです。