化学工学を卒業するとどんな仕事ができるのかな…
化学工学卒業生の就職先を知りたい…
こんな疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
今回は化学工学専攻の就活事情をご紹介します。
化学工学とは
一般的な研究のイメージといえば、未知の領域に対する新しい発見だと思います。
化学分野でいえば『有機化学』『無機化学』『薬学』などが、研究に関する学問です。
そんな中、化学工学では既知の研究結果を利用して欲しいものを製造します。
化学工学エンジニアとして働く時には以下のような視点が大切になります。
- 製造コストを下げるにはどうするか
- 効率の良い製造プロセスはどれか
- イニシャルとランニングコストのバランス
化学工学は研究所よりも工場(プラント)での利用価値が高い学問になります。

化学工学で学ぶこと
化学工学科の学生は『講義』『実験』を通して必要な知識を学びます。
講義ではプラント設計で大切な反応論だけでなく、研究に関する有機化学・無機化学も学習します。
工場での実学とはいえ、研究分野の知見も持ち合わせることが望まれます。
また実験では、シミュレーションが正しいかのサンプリング実験などを行います。
プラントが稼働するときには、温度、湿度、速度といった様々な要素が影響すると考えられます。
化学工学では何が主要因かを分析してプラント設計に応用する能力が求められます。
化学工学卒業後の職種について
ここまでは化学工学で学ぶことをご説明しましたが、実際にはどんな職種に就けるのでしょうか。
化学工学を卒業することで働ける職種を2つご紹介します。
生産技術職
化学工学を卒業すると、生産技術職で働く学生が一番多いです。
生産技術職には『スケールアップ』という化学工学エンジニアには欠かせない仕事があります。
これは実験で得られたデータを工場レベルで再現することを指します。
研究開発で得られた結果を工場に導入し、量産体制するために必要なことを日々検討します。
生産技術職はプラントを作り上げるエンジニアともいえ、僅かな改善により数億円の製造コストを下げられる可能性を持ち合わせています。

研究開発職
化学工学を卒業した後に、研究開発職で働く学生もいます。
学生時代に学んだ『有機化学』『無機化学』等の研究に関する知識を活かす職種になります。
とはいっても、採用人数では生産技術職の方が圧倒的に多く、研究開発で働けるのはごく僅かです。
研究開発職には以下の専攻の学生も応募するため倍率が高くなるからです。
- バイオ工学
- 生物工学
- 薬学
- 農学
化学工学の強みを活かすには生産技術職への就職がおすすめです。

化学工学科の人気就職先とは
化学工学の職種としては『生産技術』『研究開発』の2つがメインになりますが、どんな企業で働けるのでしょうか。
ここからは以下3つの就職先をご説明します。
順番は化学工学の学生が就職するときの難易度順です。プラントエンジ業界への就職が一番難しいです。
- プラントエンジニアリング
- 食品メーカー
- 化学メーカー
生産技術・研究開発のどちらでも就職できますが、採用人数が多いことからも生産技術の方が内定を取りやすいです。
人気メーカーの研究開発職では、新卒が東大+京大の院生で占められているという話も良く聞きます。
プラントエンジニアリング
化学工学を卒業した学生に人気なのがプラントエンジ業界です。
業界の御三家は以下の通りです。
- 日揮
- 千代田化工建設
- 東洋エンジニアリング
『グローバル勤務+高給取り』の2軸から学生にも超人気の企業になります。
プラントエンジ企業の会社説明会に行ってみると、仕事の規模の大きさにワクワクするはずです。
将来は海外で働きたいという学生にはぴったりな仕事といえます。
ただし、採用人数も少なく就職難易度が高いので入念な準備が必要です。

食品メーカー
食品メーカ―も人気の就職先になります。以下のような企業が該当します。
- ビール
- お菓子
- 生鮮食品
- 加工食品
食品メーカーでは身の回りにある商材を担当できるので、商品化できたときは生みの親としての喜びがあります。

化学メーカー
化学工学卒業後の就職先として一番多いのが化学メーカーになります。
一口に化学メーカーと言っても主要分野は以下のように様々です。
- 石油
- 高分子
- 無機材料
- 繊維
また、化学メーカーでは以下のような総合化学メーカ―が存在します。
- 三菱ケミカルHD
- 住友化学
- 旭化成
- 三井化学
総合化学メーカーという言葉のとおり、多角経営により複数の分野をカバーしているのが特徴です。
一分野に特化していないことからも、事業の安定性が高い企業になります。

化学工学の年収ランキングとは?
基本的なベースとして化学工学出身者は高給取りが多いです。
年収ランキングでご紹介すると、
プラントエンジ > 食品メーカー > 化学メーカーの順になります。
これは化学工学の学生が就職するときの就職難易度と同じ順番です。
特に、プラントエンジは海外出向のチャンスが多く、海外手当ての金額も相当になります。

まとめ
今回は化学工学科の学生の就職情報をご紹介しました。
いかがだったでしょうか。是非参考にしてもらえると幸いです。